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TEL 079-283-8880

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「早くインプラントを入れる」ことが、必ずしも最善とは限りません。

58歳女性の患者様です。

左下の奥歯の根の先に大きな病変ができ、歯を残すことが難しい状態でした。

他院で治療を受けていましたが改善せず、インプラント治療をご希望で当院を受診されました。

詳しく検査を行うと、病変は非常に大きく、さらに**下顎管(下あごを走る神経)**の近くまで及んでいました。

このようなケースでは、「抜歯と同時にインプラントを入れる(即時埋入)」は、安全面から適応とならないことがあります。

そこで今回は、将来のインプラント治療まで見据えた治療計画を立てました。

 

CT検査で分かったこと

CT検査では、歯の根の先に大きな感染が広がり、周囲の骨が大きく失われていました。

また、病変は下顎管に近接しており、慎重な治療が必要な状態でした。

このような状態で無理にインプラントを埋入すると、

  • 感染が残る可能性
  • インプラントが十分に固定できない可能性
  • 神経への影響

などのリスクが高くなります。

そのため、まずは感染を確実に取り除き、安全な環境を整えることを優先しました。

 

抜歯と同時に「ソケットプリザベーション」を行いました

抜歯後、そのまま治癒を待つだけでは、骨は時間とともに痩せてしまいます。

そこで当院では、

ソケットプリザベーション(抜歯窩保存術)

を行いました。

これは、抜歯した部分に骨補填材などを入れ、将来インプラントを支える骨をできるだけ維持する治療です。

感染をしっかり除去しながら、将来の治療を有利に進めるための重要な処置になります。

 

3か月後、骨の回復を確認してインプラント治療へ

約3か月後、CT検査で骨の治癒を確認しました。

感染は改善し、骨の再生も良好だったため、安全にインプラント治療へ進むことができました。

十分な骨の状態が得られていたため、インプラントは安定して固定され、予定どおり治療を進めることができました。

その後、セラミックの被せ物を装着し、しっかり噛める状態まで回復しています。

 

「すぐ入れる」より「安全に長く使える」が大切です

インプラント治療では、

早く入れることよりも、

長く安心して使えること

の方が重要です。

今回のように、

  • 大きな骨の病変がある
  • 神経に近い
  • 感染が広がっている

というケースでは、無理に即時埋入を行うよりも、

一度感染を治し、骨を守り、安全な状態でインプラントを行う方が、結果的に成功率の高い治療につながります。

 

まとめ

大きな病変があるからといって、インプラントを諦める必要はありません。

重要なのは、その場で無理をすることではなく、

抜歯から最終的なインプラントまで逆算して治療計画を立てることです。

当院では、CTによる精密診断を行い、一人ひとりのお口の状態に合わせて、できるだけ身体への負担を抑えながら、長期的な安定を目指したインプラント治療をご提案しています。

この症例のポイント

  • 左下奥歯の大きな根尖病変
  • 病変は下顎管(神経)近くまで及んでいた
  • 抜歯と同時にソケットプリザベーションを実施
  • 骨の治癒を待ってから安全にインプラント埋入
  • セラミックで自然な噛み心地を回復

 

リスク・注意点

ソケットプリザベーションを行っても、骨の回復量には個人差があります。

また、喫煙、糖尿病、歯周病の進行、歯ぎしり・食いしばりなどは治療結果に影響する可能性があります。

インプラント治療後も、定期的なメンテナンスとナイトガードの継続が重要です。

  • 術後の腫れ、痛み、内出血
  • 感染
  • 骨造成量が不足する可能性
  • インプラントと骨が結合しない可能性
  • 神経麻痺
  • 将来的なインプラント周囲炎

 

費用(税込)

ソケットプリザベーション:44,000円

インプラント治療(上部構造を含む)1本:495,000円

ガイドサージェリー:66,000円

合計605,000円

※症例によって必要となる処置は異なるため、費用は変動する場合があります。

玉岡丈二 ジョージ歯科口腔外科 院長

歯科医師。医学博士。日本口腔インプラント学会専門医。日本口腔外科学会認定医。

「医学と歯学を繋ぐ」と「インプラント」を専門とし、兵庫医科大学にて医学博士号を取得。兵庫医科大学歯科口腔外科学講座助教を経て、専門医として口腔領域の多岐にわたる手術を担当。2023年ジョージ歯科口腔外科を開院し、「まっすぐに」向き合う医療を志す。

著書・論文に『「人生100年時代」 のインプラント治療の考えかた』『口腔インプラント医が知っておくべき骨吸収抑制薬の知識(日口腔インプラント誌2019)』等。