症例紹介
Blog 痛みのある奥歯を抜歯し、シンプルにインプラント治療を行った症例
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46歳女性の患者様です。
「右下の奥歯が痛い」「抜歯になった場合はインプラント治療をしたい」とのことで来院されました。
右下の奥歯は歯の大部分が失われた残根状態で、根の周囲には感染が広がり、痛みも出ていました。
このような状態では、すぐにインプラントを入れるのではなく、まず感染を落ち着かせ、インプラント治療に適した環境を整えることが大切です。
まずは痛みと感染を落ち着かせます
初診時には感染による痛みがあったため、まずは消炎処置を行いました。
同時に、インプラントを長く安定して使用していただくため、歯周基本治療を行い、お口全体の環境を整えていきました。
インプラント治療というと「歯がない部分にインプラントを入れること」に目が向きがちですが、周囲の歯ぐきや残っている歯の状態を整えてから治療を始めることも重要です。
抜歯と同時にソケットプリザベーション

炎症が落ち着いた後、保存が難しい右下の奥歯を抜歯しました。
その際に行ったのが、ソケットプリザベーション(抜歯窩保存術)です。
歯を抜くと、その部分の骨は時間とともに痩せていきます。
ソケットプリザベーションは、抜歯した部分に骨補填材などを入れ、将来インプラントを支える骨をできるだけ残すための処置です。
今回は抜歯の段階からその後のインプラント治療を考え、骨を温存してから治癒を待ちました。
4か月後、骨の治癒を確認してインプラント手術

抜歯から約4か月後、骨が十分に治癒したことを確認し、インプラントを埋入しました。
手術には、CTとデジタルデータをもとに作製したサージカルガイドを使用しています。
サージカルガイドとは、事前に計画した位置・方向にインプラントを埋入するための装置です。
今回は骨の状態も良好で、追加の大掛かりな骨造成を行う必要はありませんでした。
インプラントの固定も十分に得られたため、歯ぐきの中に完全に埋め込まずに治癒を待つ**「1回法」**で、シンプルに手術を終えることができました。
デジタル印象で仮歯を作製
インプラント埋入から約3か月後、骨との結合を確認して被せ物の製作へ進みました。
当院では口腔内スキャナーを使用したデジタル印象を行っています。
まず最終的なセラミックをすぐに装着するのではなく、仮歯を装着しました。
実際に噛んだときの違和感がないか、清掃しやすい形になっているか、周囲の歯ぐきに問題がないかなどを確認しながら、2〜3か月程度経過をみました。
仮歯の形を活かして、最終的なジルコニアクラウンへ

仮歯で問題なく使用できることを確認した後、その形態を参考にして最終的なジルコニアクラウンを製作しました。
仮歯で確認した形を最終補綴へ反映することで、見た目だけでなく、噛み合わせや清掃性にも配慮した被せ物を目指します。
最終的なジルコニアクラウンを装着し、現在はしっかり噛める状態になっています。

難しい手術をすることだけがインプラント治療ではありません
今回の治療は、特殊な大規模骨造成を行った症例ではありません。
感染を落ち着かせる → お口の環境を整える → 抜歯時に骨を守る → 骨の治癒を待つ → 計画した位置にインプラントを埋入する → 仮歯で確認してから最終的な歯を作る
という、非常にオーソドックスな治療です。
しかし、インプラント治療を長く安定させるためには、こうした一つひとつのステップを丁寧に進めることが重要だと考えています。
「抜歯が必要と言われたけれど、その後どうしたらいいのか分からない」「できるだけ大掛かりな手術は避けたい」という方も、抜歯する前の段階から治療計画を立てることで、よりシンプルに治療できる場合があります。
当院では、抜歯だけを見るのではなく、その後どのように噛める状態まで戻すかを考えながら治療をご提案しています。
この症例のポイント
- ✔️感染と痛みのある奥歯をまず消炎
- ✔️歯周基本治療で口腔内環境を改善
- ✔️抜歯時にソケットプリザベーションを実施
- ✔️4か月の治癒期間を経てインプラント埋入
- ✔️サージカルガイドを使用した計画的な手術
- ✔️1回法でシンプルに治療
- ✔️デジタル印象で仮歯を製作
- ✔️仮歯で経過を確認してからジルコニアクラウンで最終修復
リスク・注意点
ソケットプリザベーションを行っても、骨の回復量には個人差があります。
また、喫煙、糖尿病、歯周病の進行、歯ぎしり・食いしばりなどは治療結果に影響する可能性があります。
インプラント治療後も、定期的なメンテナンスとナイトガードの継続が重要です。
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- 術後の腫れ、痛み、内出血
- 感染
- 骨造成量が不足する可能性
- インプラントと骨が結合しない可能性
- 神経麻痺
- 将来的なインプラント周囲炎
費用(税込)
ソケットプリザベーション:44,000円
インプラント治療(上部構造を含む)1本:495,000円
ガイドサージェリー:66,000円
合計605,000円
※症例によって必要となる処置は異なるため、費用は変動する場合があります。
監修者情報
玉岡丈二 ジョージ歯科口腔外科 院長
歯科医師。医学博士。日本口腔インプラント学会専門医。日本口腔外科学会認定医。
「医学と歯学を繋ぐ」と「インプラント」を専門とし、兵庫医科大学にて医学博士号を取得。兵庫医科大学歯科口腔外科学講座助教を経て、専門医として口腔領域の多岐にわたる手術を担当。2023年ジョージ歯科口腔外科を開院し、「まっすぐに」向き合う医療を志す。
著書・論文に『「人生100年時代」 のインプラント治療の考えかた』『口腔インプラント医が知っておくべき骨吸収抑制薬の知識(日口腔インプラント誌2019)』等。

