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Blog 親知らずについて.よく頂くご質問Q&A
Contents
- 1 Q親知らずってなんですか?
- 2 Q親知らずは抜歯したほうがいいですか?
- 3 Q親知らずは何歳までに抜いた方が良いですか?
- 4 Q親知らず抜歯の処置は痛いですか?
- 5 Q抜歯後の痛みはどれくらい?
- 6 Q抜歯後の経過はどうなりますか?
- 7 Q親知らず抜歯は腫れる?
- 8 Q抜歯にかかる時間は?
- 9 Q親知らずってどうやって抜くんですか?
- 10 Q帰宅後に気をつけることってなんですか?
- 11 Q抜歯する日は仕事休まないといけないですか?
- 12 Q親知らず抜歯ってどんな歯医者さんでもできるんですか?
- 13 Q親知らず抜歯の合併症ってなんですか?
- 14 私たち医療者は治療に最大限の努力を致します。
- 15 ジョージ歯科口腔外科の『自由診療による親知らず抜歯について(高品質埋伏抜歯術)』
患者様からよく頂くご質問についてまとめました.
今回は親知らずについて述べたいと思います.
Q親知らずってなんですか?
親知らずは、前から数えて8番目の奥歯です。
正式にはは第三大臼歯と呼ばれる歯のことを指します。18歳から25歳の間に生えてくることが多く、上下左右に4本存在することが一般的ですが、生えてこない場合もあります。
Q親知らずは抜歯したほうがいいですか?
親知らずは、通常の歯と異なり歯列にうまく収まらないことが多く(特に現代人は顎の骨が小さいため)、位置的にも非常に奥の方に生えてくるので、ご自身で適切に歯ブラシを当てて清掃することが難しく、親知らず自体が痛んだり、親知らずが原因の歯周病で周囲の歯ぐきが腫れて痛くなったり、親知らずの手前の歯が虫歯になったりすることが多いからです。
とくに、横を向いていて、親知らずの一部が露出している“半埋伏”状態の場合、中高年で約80%がむし歯・歯周病になると言われており、抜歯が必要なことが多いです。
Q親知らずは何歳までに抜いた方が良いですか?
親知らずを抜歯すべきタイミングは、個人差や状況によって異なりますが、一般的に20〜35歳の間に抜歯することが推奨されています。
25歳以上になると親知らずの炎症が起こる可能性が倍になると言われており、35歳以降は隣の歯の吸収が起こる可能性があるとも言われています.お痛みなどの具体的な症状が出るまで放置されてしまう患者様は多いのですが、年齢が高くなるほど顎の骨は硬くなるので、親知らずが癒着したり、抜歯の手術自体の難易度が上がります.加えて、加齢によって傷の治りが遅くなったり、全身的な持病で抜歯が容易でなくなることも多々あります.可能な限り35歳までに抜歯を完了させておくことをお勧めします.
Q親知らず抜歯の処置は痛いですか?
十分に麻酔が効いた状態で抜歯の処置をはじめますので,処置中の痛みは基本的にありません.
局所麻酔での抜歯ですので、突発的な痛みは可能性としてゼロではありませんが、当院の抜歯では痛いまま処置を進めることはありませんのでご安心ください。
安心して治療を受けていただくために不安や痛みへ最大限の配慮をいたします.
Q抜歯後の痛みはどれくらい?
A親知らずの難易度や状況にもよりますので一概には言えませんが、下の顎のとくに横向きに埋まっている親知らずの場合はお痛みが7~10日ほど続くことがあります。通常は7〜14日前後でおさまります。上の顎の正常に生えている親知らずの場合は痛みが少ないことが多いです。
術後は痛み止めを服用していただき痛みをコントロールします.ほとんどの患者様に十分な鎮痛効果がみられています。
Q抜歯後の経過はどうなりますか?
・抜歯後2時間:麻酔が効いているのは2〜3時間程度です。その後徐々に感覚が戻ってきます。
麻酔が切れるタイミングで痛みが出てきますので,タイミングを見越して術後早めに痛み止めを服用するようにしましょう.
・抜歯後1〜3日:抜歯創部は炎症(発赤、腫れ、痛み)のピークを迎えますが,一過性の生理的な術後炎症のサインです。
また,抜歯部分の「かさぶた」が不安定なため、数日間じわじわと血がでることがあります.血が止まらない場合はガーゼ等を丸めて噛むなど創部を圧迫するようにして下さい.
・抜歯後4日〜7日:腫れ、痛みは日に日に減少していきます。
・抜歯後7〜14日:腫れ、痛みは抜歯後2週間ほどでおさまることがほとんどです。
・抜歯後約1か月:抜歯してできた穴に食べ物がよくはさまる時期です。
・抜歯後約3か月:抜歯してできた穴が気にならなくなってきます。
Q親知らず抜歯は腫れる?
親知らずの難易度や状況にもよりますので一概には言えませんが、大きなあめ玉を口に含んでいるくらい腫れることがあります。お口の手術はお顔の見た目に直結しますのでスケジュールをご配慮下さい.また,患部を冷やすのは抜歯当日のみに留めて下さい.
1~3日ほどがピークで、7~10日ほど続くことがありますが,通常は7〜14日前後でおさまります.
Q抜歯にかかる時間は?
ほとんどの親知らずの抜歯は、約10分~30分程度で終了します。
しかし難易度などによって一概には言えず、難易度の高い抜歯は45~60分程度かかることもあります.
Q親知らずってどうやって抜くんですか?
親知らずの抜歯方法は、抜歯する親知らずの位置や状態によって異なりますが、一般的な方法(特に下の顎で横にはえている場合)としては以下のような流れになります。
- 麻酔の注射:まず局所麻酔を行います。麻酔がしっかりと効いてから手術を始めます。
- 歯ぐきの切開:親知らず周囲の歯肉を切開して、親知らずを露出します。
- 骨の削除:周囲の骨を削って親知らずを抜歯する場合があります。
- 歯の分割:歯を分割し、粉々にして抜歯することがあります。
- 歯の抜去:専門の抜歯器具を使用して親知らずを摘出します。
- 歯ぐきの縫合:抜歯が終わったら、歯ぐきを縫合します。
Q帰宅後に気をつけることってなんですか?
抜歯後のケアや痛みや腫れを和らげる方法をいくつか紹介します。
- 処方された薬を正しく服用する:処方された鎮痛剤や抗生物質を適切に服用しましょう。
- 氷などで腫れを和らげる:抜歯をした側の頬部にそわせるように氷などを当てることで、腫れを和らげることができます。ただし、患部を冷やすのは当日のみに留めて下さい.
- 食事について:手術直後は麺類などの柔らかい食事を選び、硬い食べ物が傷口に当たらないように注意しましょう。
- 口腔ケアについて:抜歯部位以外の歯磨きは通常通り適切に行なって問題ありません.口腔内を清潔に保ちましょう。ただし、手術直後は傷口に無理にブラシを当てたり刺激を与えないようにしましょう。
- 安静に過ごす:手術直後は、可能な限り安静に過ごしましょう。運動や激しい活動は、血流が良くなり腫れや出血を引き起こす可能性があります。
Q抜歯する日は仕事休まないといけないですか?
一般的に親知らず抜歯は局所麻酔で通院外来で行われるため、抜歯後はすぐに帰宅して休息することができます。抜歯の難易度や手術の侵襲、患者さんの全身状態によって異なりますが、当院では基本的には日常生活に制限を設けることは必須ではないとご説明しております.
しかし、抜歯の状況やお仕事の内容によっては腫れや痛みが強く生じたり支障が出る場合もあります.医師の立場からのアドバイスとしては、もし可能なのであれば当日・翌日は休むことを検討しても良いと思います。抜歯前に担当の歯科医師に相談するようにしましょう。
Q親知らず抜歯ってどんな歯医者さんでもできるんですか?
親知らずの抜歯は一般的な歯科医院でも行うことができますが、抜歯の難易度によっては口腔外科を得意とする歯科医師に担当してもらう方が無難なことがあります。歯科医師の経験や技術は、術後の痛みや腫れなどに影響する重要な要素であると考えます。
地域レベルのクリニックでの抜歯が対応困難な場合もあります。特別に難易度が高い場合や、全身的な合併症がある場合には、患者様の安全のために全身麻酔や入院下での抜歯が必要になることもあるため、全身麻酔・入院の対応ができる総合病院の口腔外科での治療が適切となります。その場合は当院でも対応困難なため、適切に診断したうえで高次医療機関に引き継ぎをさせて頂きます.
いずれにしても親しらず抜歯を受ける際に重要なことは、口腔外科の経験が豊富な歯科医師による適切で的確な診断です。
Q親知らず抜歯の合併症ってなんですか?
- 術後感染→まれに手術部位が術後感染を起こし,腫れ・痛みや膿が出ることがあります.手術後1〜2週間後に生じることもあります.感染が重度の場合、状況よっては使用材料や移植物の除去などの追加処置で対応することがあります.また,抗生物質などの投与によりアレルギー反応が起こる可能性があります.
- 知覚麻痺→手術部位によっては術後に神経の知覚麻痺(麻酔が効いているようなしびれ感などの感覚障害)が,唇やあご先や歯茎(部位によっては舌や鼻翼)に生じることがまれにあります.「親知らず抜歯」においては約1%程度の発症率と報告されています.多くの場合は一時的な症状で月単位に徐々に改善しますが,まれに長期間違和感が継続し後遺症として症状が残ることがあります.
- 副鼻腔(上顎洞)との交通や炎症→手術部位が上顎洞や鼻腔と近接している場合は手術によって穴があき口と鼻が交通することがあります.その場合,鼻血や上顎洞炎などの鼻症状が生じることがあります.ほとんどの場合は自然に回復しますが,追加治療を行うことがあります.穴が大きい場合や,術後感染によって上顎洞炎(蓄膿症)が生じる場合は,投薬治療や追加手術を要することがあります.
私たち医療者は治療に最大限の努力を致します。
近年の医療においても未だ解明されていなことも多くあります.また,患者様の個人差等あらかじめ予測困難なこともあります.非常にまれなことですが,万が一不測の事態が生じた場合は可能な限り最大限の対応を致します.
ジョージ歯科口腔外科の『自由診療による親知らず抜歯について(高品質埋伏抜歯術)』
親知らず抜歯は決して安易な処置ではありません。からだから臓器(歯)を摘出する(抜歯する)手術です。
当院は口腔外科とインプラントに特化した専門クリニックとして、一般的な歯科医院では持ち合わせていない口腔外科技術を提供したいと考えています。
自由診療は、費用を一部負担する保険診療に比べて一見高額に感じるかもしれません。
しかし、保険診療では対応していない薬剤や治療機器、治療法を使うことで、抜歯の痛みや腫れなどを最小限に押さえることができます。
<違い1>
超音波手術という特別な機材を使用して
痛み・腫れを抑えます
保険では使用が認められておらず従来ドリルの処置になります
抜歯のために周りの骨を削る処置を行うことがあります。その際に超音波を利用した特別な機材を用いることで,身体へのダメージを最小限にし、術後の痛み・腫れを抑えることができます。また、超音波を使用すれば過剰に身体を傷つけることなく処置ができるため手術の安全性も高まります。
<違い2>
抜歯創用保護剤で傷口の治りが早まります
保険では使用が認められていません
抜歯してできた穴に抜歯創用保護剤(テルプラグなど)を使用します。
抜歯してできた穴は骨が露出した状態になります。保護剤を抜歯してできた穴に詰めることで、止血や食べ物がはさまるなどの不快な症状を回避することができ,露出した骨の表面を保護する効果によって痛みを緩和します。また,組織再生を促す効果があることで歯ぐきの治りが早まります。
<違い3>
縫合糸などは特別な材料を使用します
保険では従来の絹の糸を使用します
インプラント手術時などに使用される高品質なナイロン製の糸や体内で吸収する優れた糸を使用します。
ナイロン糸や吸収性糸は汚れがつきにくく,丁寧に縫い合わせると傷の治りも早く、また切開した痕が残りにくくなります.
<違い4>
腫れどめの薬などを投与し腫れを抑えます
保険では使用が認められていません
腫れを抑えたい方には,一般歯科ではなかなか使用されない腫れどめの薬剤(ステロイド薬)などを処方いたします。
腫れが抑えられることによって一日でも早く日常生活に戻ることができます。
<違い5>※オプション
鎮静法でうたた寝状態の抜歯が可能です
保険での使用は適応症が制限されており、当院では対応しておりません
ガスマスクから鎮静剤を吸入したり,点滴により鎮静剤を投与し,治療中の不安や恐怖感を緩和する麻酔法です。
うたた寝しているような状態でリラックスして治療を受けられます。
費用について
費用は一概には言えませんが、おおよその費用感を示します.
(保険診療の場合は、保険点数の変化、患者様の口腔内の状況や、医院による処置内容の方針で費用が変わることをご了承ください.)
●高品質親知らず抜歯術の場合:約35,000円(税別)
例:横に向いている親知らず抜歯を希望され当院を受診し、”自由診療”の高品質親知らず抜歯術を行なった場合
●保険診療の場合:約8,000~11,500円前後
例:横に向いている親知らず抜歯を希望され受診し、”3割負担の保険範囲内”での親知らず抜歯を行なった場合
※初診料、各種歯周検査・管理・指導料、パノラマX線、再診療、CT検査、麻酔・手術料、処方箋を含みます.
●笑気鎮静法:10,000円
●静脈内鎮静法:70,000円
監修者情報
玉岡丈二 ジョージ歯科口腔外科 院長
歯科医師。医学博士。日本口腔インプラント学会専門医。日本口腔外科学会認定医。
「医学と歯学を繋ぐ」と「インプラント」を専門とし、兵庫医科大学にて医学博士号を取得。兵庫医科大学歯科口腔外科学講座助教を経て、専門医として口腔領域の多岐にわたる手術を担当。2023年ジョージ歯科口腔外科を開院し、「まっすぐに」向き合う医療を志す。
著書・論文に『「人生100年時代」 のインプラント治療の考えかた』『口腔インプラント医が知っておくべき骨吸収抑制薬の知識(日口腔インプラント誌2019)』等。