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患者様からよく頂くご質問についてまとめました.

今回は口腔外科について述べたいと思います.

口腔外科ってなんですか?

口腔外科ってなんですか?

「口腔外科」とは,口や顎周り,時には顔にメスを入れて手術を行う歯科の専門分科の一つです.

一般的には”歯科=歯医者さん”以外のイメージが持ちづらいかと思います.実は,歯科の中にも様々な専門分科があります.例えば,医科の中で”消化器内科”,”整形外科”,”精神科”,”小児科”,”脳外科”…などと細かく科目が分かれているように,歯科の中でも”保存科”,”歯周病科”,”補綴科”,”口腔外科”,”矯正歯科”,”歯科麻酔科”,”小児歯科”,”障害者歯科”…などの専門分科があるのです.歯学部大学病院では医学部大学病院のそれのようにそれぞれの科に医局があり教授がおられるのです.

なかでも一般的な歯医者さんのイメージがあるものは総称的に「一般歯科」と言われます.むし歯や根管治療を行う「保存科」や歯周病治療を行う「歯周病科」やさし歯・入れ歯を作る「補綴科」などがこれに当たります.そして「口腔外科」「矯正科」「歯科麻酔科」「小児歯科」「障害者歯科」などは,より専門性の高い分科のイメージです.そのなかのひとつが「口腔外科」です.

口腔外科が専門的に扱うものってどんなものですか?

口腔外科が専門的に取り扱う病気や治療には、以下のようなものがあります。

  1. ・親知らずなどの難しい抜歯
  2. ・歯周病の手術的治療
  3. ・歯の移植手術
  4. ・顎顔面インプラント手術
  5. ・口腔領域の腫瘍(良性腫瘍や口腔がん)
  6. ・口腔領域の外傷:けが
  7. ・顎変形症などの形態的修正
  8. ・口蓋裂・口唇裂などの先天性疾患

もちろん,手術は医療施設の水準によって対応できるものとできないものがあります.しかし,手術をすることだけが口腔外科ではありません.例えば,”口腔がん”の手術は地域の歯科クリニックで対応することはできません.発見次第に大学病院などの高次医療機関で手術を行うことになります.ここで重要なことは,地域レベルでかかりつけ歯科医や口腔外科医が口腔がんを早期に発見することです.これによって,高次医療機関が疲弊せず,本来の役割(難易度の高い全身麻酔手術)に専念できるようサポートすることができます.そのためには私たち地域レベルの口腔外科医の役割が重要と考えています.

口腔外科医の役割ってなんですか?

口腔外科医には重要な役割が二つあると考えています.

①専門性の高い手術的治療を行う役割

一つめは,歯科口腔領域に起こる問題に対して手術的なアプローチで治療を行う専門的な役割です.

口腔は,歯,歯ぐき,顎の骨,舌,口を動かす筋肉,唾液を作る唾液腺,顎の関節など,日々の生活に関わる様々な臓器が複雑に入り組んでいる“からだの一部分”です.歯科口腔領域に起こる様々な問題を適切に診断するためには,豊富な臨床経験と正確な診断能力が必要となります.特に口腔外科は,手術的なアプローチで治療を行う専門的診療科ですから,歯に対する知識だけでなく,からだに対する医学的知識に併せて広い視野を持ちあわせる必要があります.口腔外科医は,一般的なむし歯や歯周病の治療だけでなく,親知らずの抜歯から口腔がんの診断まで,様々な問題に総合的に対応することができます.

②歯学と医学をつなぐ役割

二つめは,「歯学と医学をつなぐ」リンクマンとしての役割です.

専門的には「医科歯科連携」と言う言葉で表現される分野で,口腔外科医は医科と歯科をつなぐリンクマンとして、医療連携の調整役として、超高齢社会をリードする役割が求められています。全身的な問題、たとえば糖尿病や骨粗鬆症や肺炎などが、からだの入り口である口腔の問題と関連していることは科学的に証明されています。特に私は、骨粗鬆症と口腔の関係性について専門的に研究・教育を行い、多くの医師・歯科医師に指導を行ってきました。これまでは、大学病院や総合病院の口腔外科医のみがこの「医学と歯学をつなぐ」役割を担ってきました。しかし、これからますます進んでいく超高齢社会において、地域レベルで口腔外科医が積極的に「医学と歯学をつなぐ」ことを担う必要があると考えています。さらに“地域レベルだからこそ”より密な医療連携を行うことができ、患者様に有益な医療を提供できると感じています。

口腔外科医の役割ってなんですか?
Excited happy smiling group of people in hospital, wear white lab coats

口腔がんってなんですか?

口腔がんとは、口の中に発生するがんで、歯以外のどこにでも発生しうるがんです。

舌がん、歯肉(歯ぐき)がん、口腔底(舌の下)がん、頬粘膜がん、口蓋がん、口唇がんがあり、そのうち日本人に一番多いのが舌がん(約60~70%)です。

口腔がんは認知度が低いのが現状で、がん全体からすれば約1~3%と低い数値ではありますが、日本では年間約7500人程度の方が口腔がんで亡くなられています。

口腔がんの原因は何ですか?

主に以下のようなものが考えられています。

  1. ・タバコ:最大のリスクファクターです。喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べ約7倍も高いという報告があるほどです。
  2. ・アルコール:特に50歳以上の男性で、毎日たばこを吸いなおかつお酒も飲まれる方はリスクが高ま流と言われています。
  3. ・口腔内の慢性的な刺激:たとえば、歯が欠けたり虫歯になったりして尖った部分がある、詰め物や被せ物の不適合、入れ歯が合わないなど、慢性的な刺激が加わると、口腔がんの原因の一つとなることがあります。

ただし、口腔がんの原因は一定ではなく複数の要因が複合的に関与していることが多いため、個々の患者さんの病歴や生活習慣なども考慮する必要があります。

口腔がん早期発見の対策はどうすれば良いですか?

  1. ・定期的な歯科検診:最も要領の良い方法は,定期的に歯科検診や歯周病治療のメインテナンスを受けることです.歯科医師・歯科衛生士が口腔がんを早期に発見しやすい状況となります。
  2. ・ご自身でのチェック:触って硬くなったりしているところ、粘膜に白い斑点や赤いしこり、首やのどの痛みなどがあれば、早めに医師に相談するようにしましょう。また,2週間たっても治らない口内炎なども要注意です。
  3. ・生活習慣の見直し:口腔がんのリスクを減らすために、禁煙やアルコールの適量摂取、バランスのとれた生活習慣などが重要です。

口腔がんは早期発見が治療の成功につながります.

口腔がん早期発見の対策はどうすれば良いですか?

転倒して口をけがしてしまいました.まずどう対応すれば良いですか?

  1. ⒈外傷の程度の確認:まずは冷静に,状況を確認しましょう.口まわりのけがの場合、頭部や顔面にもけがをしていることがあります.意識障害やふらつきがあったり,身体のけがの程度によっては医科での検査・治療を優先することが重要です.基本的に,口や歯のけがが生死に直結することはほぼありません.生命最優先で行動してください.
  2. ⒉歯科医院へ連絡:意識障害や身体の他の部分にけががなく、医科での検査や治療が必要ない場合は、歯科へ受診しましょう.かかりつけ歯科をお持ちであれば,まずはかかりつけ歯科へ連絡して受診してください.もしかかりつけ歯科で対処できないなどの状態であれば口腔外科医や高次医療機関を紹介してもらえることがほとんどです.
  3. ⒊連絡は冷静に情報を伝えましょう
    • ①怪我をした人について:年齢や性別
    • ②怪我をした状況について:いつ・どこで・何をしていて・どのように
    • ③怪我の状態:口の外なのか中なのか.舌や唇などのけがの状態.歯のけがの状態.

転倒の影響で歯が抜けています.どうすれば良いですか?

  1. ⒈完全に抜け落ちた場合はまず歯を探しましょう:可能であれば抜けた歯を探してください。状況によっては再び抜けた部分に戻せる可能性があります。
  2. ⒉ぐらついている場合は歯を触らないようにしましょう:歯を触ったり引っ張ったりしないでください。再生に重要な歯根膜が損傷することがあります。
  3. ⒊歯を保存しましょう:汚れていたら流水で汚れを落とし、常に湿った状態にしておいて下さい 。歯を保存するために次の方法があります。
    • 牛乳に浸ける
    • 生理食塩水に浸ける
    • 口の中に入れる
  4. ⒋早急に歯科医院で治療を受けましょう:再植する場合は,できれば30分以内が望ましいです.

玉岡丈二 ジョージ歯科口腔外科 院長

歯科医師。医学博士。日本口腔インプラント学会専門医。日本口腔外科学会認定医。

「医学と歯学を繋ぐ」と「インプラント」を専門とし、兵庫医科大学にて医学博士号を取得。兵庫医科大学歯科口腔外科学講座助教を経て、専門医として口腔領域の多岐にわたる手術を担当。2023年ジョージ歯科口腔外科を開院し、「まっすぐに」向き合う医療を志す。

著書・論文に『「人生100年時代」 のインプラント治療の考えかた』『口腔インプラント医が知っておくべき骨吸収抑制薬の知識(日口腔インプラント誌2019)』等。