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Blog シンプルの中に上質を。なぜ歯科医がセラミック治療を勧めるのかを解説
歯科医がセラミックによる治療を勧める理由は、シンプルなむし歯などの治療の中にも高品質な美しさや質の高い体への優しさが隠れているからです。
セラミック治療は、その高い生存率と虫歯リスクの低さから、患者さんにとって有益な選択肢です。この記事では、一般的に虫歯治療に用いられるセラミックと銀歯との比較を通じてなぜ歯科医がセラミック治療をおすすめするのかを解説します。
セラミック治療の利点
- 自然な見た目: セラミックはその素材の特性から、天然歯とほとんど区別がつかない仕上がりに再現可能です。歯の色調や形状を細かく調整でき、自然な笑顔を手に入れることができます。
- 長持ち: セラミックは非常に頑丈で耐久性があり、普段の噛む力や食事の影響にも強いです。そのため、長期にわたり美しい状態を維持できるのが特長です。
- 虫歯になりにくい: セラミックは非金属性で、歯との接着性が優れるため虫歯が再発しにくいです。また、適切な強度があるため虫歯の原因になる歯の表面に微細な亀裂を生じにくい特性があります。
- 汚れがつきにくい: セラミックの滑らかな表面は、歯垢の付着を抑制する特性があります。これにより、虫歯を引き起こす細菌の形成を防ぎ、虫歯再発のリスクを低減させます。
セラミックと銀歯の比較:
- 生存率:
- セラミック治療の生存率: 約95%以上(10年後)
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銀歯の生存期間:平均5.4年(1995年に森田教授らが口腔衛生学会雑誌に発表した『歯科修復物の使用年数に関する疫学調査』による銀歯(メタルインレー)の平均使用年数)
セラミック治療は高い生存率を示し、寿命が長いことが確認されています。対照的に、銀歯は時間とともに摩耗しやすく、生存率が低いです。『10年は持つセラミック』と『10年持たない銀歯』は大きな違いがあります。
- 虫歯リスク:
- セラミック治療の虫歯リスク: 低い
- 銀歯治療の虫歯リスク: 高い
セラミックは非金属性で虫歯再発のリスクが低いです。一方で、銀歯は金属製で腐食が起こりやすく、虫歯のリスクが高まります。
銀歯の特徴
- 安価:銀歯は国民皆保険が適応され安価です。
- 頑丈:銀歯に使われる金銀パラジウム合金は丈夫な素材なので、割れたり欠けたりする可能性が低いです。一方で、銀歯は使用するにつれて変形し、かえって虫歯のリスクになります。
- 腐食による問題:銀歯は金属製で時間とともに腐食が進みやすいため、治療後に新たな問題が生じる可能性があります。
- 見た目への悪影響:銀歯は徐々に黒く変色し、歯の見た目に悪影響を与えます。
- アレルギーのリスク:銀歯に使用される金属にアレルギー反応を起こす可能性があり、患者さんにアレルギー症状を引き起こすことがあります。実際に欧州など先進国では健康の観点から銀歯は使用されません。
治療期間
約1ヶ月
治療費用
セラミックインレー:¥50,000(税別)
セラミッククラウン(奥歯):¥100,000(税別)
セラミッククラウン(前歯):¥130,000(税別)
リスク
一時的にしみるなどの痛みを伴うことがあります.セラミッククラウンが個人差により稀に欠けたり壊れる可能性があります.咬み合わせ・歯ぎしりの強い方は、破損防止のためにマウスピースをおすすめすることがあります.
まとめ
銀歯をセラミックに変えるかどうかは、患者さんの個別の状態や希望によって異なります。しかし、美しさと健康の両面からみると、セラミック治療は優れた選択肢です。歯科医と相談の上、最適な治療計画を検討しましょう。
監修者情報
玉岡丈二 ジョージ歯科口腔外科 院長
歯科医師。医学博士。日本口腔インプラント学会専門医。日本口腔外科学会認定医。
「医学と歯学を繋ぐ」と「インプラント」を専門とし、兵庫医科大学にて医学博士号を取得。兵庫医科大学歯科口腔外科学講座助教を経て、専門医として口腔領域の多岐にわたる手術を担当。2023年ジョージ歯科口腔外科を開院し、「まっすぐに」向き合う医療を志す。
著書・論文に『「人生100年時代」 のインプラント治療の考えかた』『口腔インプラント医が知っておくべき骨吸収抑制薬の知識(日口腔インプラント誌2019)』等。